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百貨店の知られざる現状

●百貨店の抱える課題?

みなさんは百貨店の抱える課題を知っていますか?

百貨店と言えば小売りの代名詞でしたが、近年は、ユニクロやH&Mなどのファストファッションや、家電量販店などのカテゴリーキラーの伸長の影響を受けて、売上高が減少し続けています。

全国百貨店の売上高の遷移です。

全国の百貨店売上高(業界規模)
(※出典:日本百貨店協会 最近の百貨店売上高の推移 2011/07/30更新版 より数値を抜粋しグラフ作成)


2006年度は7.76兆円であったのが、2010年度は6.19億円と、約20%の減少。
もちろんデフレ等の経済不況の影響もあろうかと思います。ただし競合との競争も要因の1つとなっています。

以前は百貨店の総合的な品ぞろえが強みでしたが、服飾や家電などの特定分野のカテゴリーキラーとの競争が激化し、顧客が減少しています。

また、ブランド品などはネットショップでの購入や、円高によって気軽に海外旅行に行けるようになるなど、百貨店で購入する以外の購買チャネルも発達してきました。



●百貨店の5年後のドメイン

・・・とまあ、そんなことを調べるきっかけになったのは、先日の某大学でのスクーリングの授業でした。

授業では、

 「百貨店の5年後のドメインを描け」

というテーマが与えられ、特定の百貨店についてチームでまとめて発表します。


私は東京の百貨店をあまり知りません。
仙台だと、三越、藤崎、パルコ、AER、S-PALといったところでしょうか?まあLOFTもいれてもいいでしょう。

で、私たちのチームは「京王百貨店」を選択することになりました。

選択した理由は、

 ・百貨店の中でも高齢者にターゲットを絞っていて異色

ということ(らしい)です。私は行ったことがないので「ふ~ん」といった感じ。




●京王百貨店にいざ出発

新宿の京王百貨店に行きました。
一歩入ってみると、本当に50~70歳くらいの高齢者で埋め尽くされていました!

新宿 京王百貨店のフロアガイドは以下を見て頂きたいのですが、

 <新宿 京王百貨店 フロアガイド :http://info.keionet.com/shi_floor/shi_floor.html

特に特徴的なフロア構成だと感じたのは、

・1F ウォーキングシューズのコーナーでは、ブランド別の陳列ではなく、サイズ別(S,M,L)の陳列になっている
・3Fの「すずらん」コーナーは、Sサイズの各種ブランドが集められている
・4Fの「ライラック」コーナーは、Lサイズの各種ブランドが集められている
・4Fに「婦人服セーター」コーナーがあり、各種ブランドが集められている

といったところです。


つまり、ウォーキングシューズや、セーターといった商品アイテムごとにフロアが構成されており、ブランドが前面に出ていない。これは、高齢者が商品を探しやすいということに着目していると思います。

たとえばセーターがほしいと思った場合、通常の百貨店なら、フロア内のいろんなブランド・ショップを見て歩く必要があります。しかし、セーターコーナーがあり、そこにいくつものブランドが出店していれば、購入者は一か所で商品を選択することができるので、足腰の弱い高齢者にはとても親切です。サイズ別の陳列も同様です。

ブランドを前面に出すのではなく、

「サイズやアイテム、使用シーンなどのくくりでブランドをアソートすることで、高齢者にも選択しやすい売り場づくりをしている」

という点が、他の百貨店には見られない特徴でした。

このような売り場を「平場(ひらば)」というそうです。逆にブランドごとに区切った売り場は「箱売り場」と呼ぶそうです。京王百貨店は、まさに平場を重視していると言えるでしょう。


次に特徴的なのは、出店ショップが、シニアライフ全般をカバーしているという点です。
具体的には、

 ・茶道具
 ・刀剣
 ・版画サロン
 ・健康食品
 ・漢方
 ・マッサージ室
 ・介護用品・補聴器
 ・園芸用品
 ・園芸相談
 ・ペットの飼育相談

などのショップやサービスがあり、シニアライフ全般をカバーしています。
まさに

「シニアライフの充実」

を実現するための百貨店であると思いました。



●百貨店間の業績比較

ちょっと文字が多くなったのでここで京王百貨店と他の百貨店の営業収益、営業利益を比較してみます。
※ちなみに百貨店業界?では「営業収益」という呼び方をするのですが、これって「売上高」ですよね。。?ちょっと間違ってたら申し訳ないですが、この記事では「営業収益」=「売上高」として記載してますので注意を。。


主要百貨店の売上高と営業利益

これはEDINETから読み取れる、各企業における流通事業・百貨店事業の、平成22年度の営業収益と営業利益を表にしたものです(個人的にさっと作成したものですので誤り等あればすみません)。

表は営業利益率の高い順に並べています。


京王百貨店は、百貨店としては2店、あとはららぽーとに小規模出店をしているだけで、店舗数が少ないです。
そのため営業収益は低いですが、営業利益率では2位となっています。高付加価値および効率的経営ができているんですね。

で、京王百貨店の近年の売上高(営業収益)の推移。縦軸は売上高で単位は億円。

京王百貨店の売上高推移

平成19年度(2007年度)の売上高1901億円に対し、平成22年度(2010年度)は1663億円。約13%の減少。
百貨店全体で20%減少だから、業界全体よりは減少率はなだらかと言えるか。


次は営業利益と営業利益率の遷移。縦軸は営業利益で単位は億円。

京王百貨店の営業利益と営業利益率

利益率も減少してはいるが、なんとか高水準をキープといったところでしょう。



そんなこんなで何とかスクーリングの課題をこなしたわけですが(ここでは私たちが考えた京王百貨店の5年後のドメインについて触れません。ないしょです)、とにかく京王百貨店は面白かったです。

ここには書ききれない発見がもっとありました。なによりもお客さんが多く、活気がありました。京王百貨店にいくまえに、渋谷の西武百貨店に寄ってみたのですが、上階にいくほどお客さんがほとんどおらず、ホントーに「お寒い」感じがしたのとは全然違っていました。

このような機会を得られるのも大学で学んでいるからこそです。
仙台から東京まで授業を受けに行くのは大変ですが、行くたびに新たな発見があります。

一緒に勉強する方たちも、優秀な人が多く、毎回良い意味でのカルチャーショックを受けます。



皆様も京王百貨店に出かけてみてはいかがでしょうか?



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プロフィール

so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
Twitter → @sato__so__
FB → facebook.com/creative.1st.pm

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