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書評 : 挑戦する脳, 茂木健一郎

挑戦する脳



いつもTwitterで連続ツイートを読ませてもらっている茂木健一郎氏の書籍。
本書を読んで、自分の本能を説明できた気がしたので、そのあたりの感想をエントリしたいと思います。



脳の働きとは?



一言で言うと、脳の働きは挑戦することにある、という。


筆者は脳科学者という立場から、脳の働きを説き、そして私たちひとりひとりに「いろんな事情もあるし大変かもしれないけど、それでも挑戦し続けるのが脳であり、そして人間である」というメッセージを贈りたかったのだと思います。

脳の働きから始まって、私たち一人一人を鼓舞し、また後押ししてくれる書籍だと思います。



●偶有性とは?


ちなみに、この書籍で初めて偶有性という言葉を理解しました。

個人的に理解した偶有性の意味とは「偶然と必然のはざま」なのかと思います。

偶有性についてよく理解できる個所を引用します。


そもそも、ある人間が存在すること自体が、必然的なことではない。

・・・この世界の中にいること自体が、さまざまな事象の作用が重なりあった、いわば「ボーナス」のようなもの。その存在には、本来何の保証もなかったのである。

・・・起源においては「偶然」であったにもかかわらず、いったんそのように存在してしまった以上、それが最初からの「必然」だったかのように作用し始める。このように、「偶然」から「必然」への命がけの跳躍が存在すること、すなわち「偶有性」こそが人間存在の本質である。

出典:挑戦する脳, 茂木健一郎, 集英社新書, 2012




偶然の産物である我々が、しかし今ここに存在しているという事実は、逆に言うと存在していない世界はなかったということで、必然でもある、という意味です。

必然であると思えば、そこは受け入れざるを得ず、それを前提に考えなければならない。
これが「偶然」から「必然」への命がけの跳躍、と筆者が呼んでいるものでしょう。


ただし、今は必然かもしれないが、将来や未来は作り出すことができるので、その偶然性に期待し、よりよい未来を作ろうと行動する。これが偶有性が、脳の挑戦を働かせるためのエネルギーになっているのだと思います。




●挑戦を求めるわけ


以前のエントリで、私のキャリア・アンカーが「純粋な挑戦」であることを述べました。
過去のエントリ「キャリア・アンカー」

そして私の性質が「未来志向」であることも。


この2つは偶有性によって、未来に挑戦する、未来を創りだそうとする私の脳の本来の働きによるものなのだということがわかりました。



私は本書を読んで、偶有性の考えは、キャリア開発の「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」で述べていることと同義だと思いました。


計画的偶発性理論とは、スタンフォード大学のクランボルツ教授が提案したキャリア開発論の1つです。

クランボルツ教授が調査の結果、キャリアの8割は予想し得なかった偶発的な事象で決定されている事実に着目し、キャリア開発においては、将来起こってほしい偶然が発生する確率を高めるために、計画的に種をまいておけ、ということを述べた理論です。


将来になりたい自分を後押ししてくれる偶然を計画的に起こす、なんて、偶有性そのものじゃないでしょうか?私はこの理論に触れたときに、「なんてわかりやすくて、実践しやすくて、しかもワクワクする理論なんだろう!」と感動したのを覚えています。




●未来志向


未来志向であることが、いかに人間を鼓舞し、チャレンジを促進するのかが、脳の仕組みを通じて理解できました。

未来は偶然の産物であるとともに、今から計画的に作ることができるものでもある。その偶然と必然のはざまが、人間の脳を刺激し、知的好奇心を発揮させ、物事を進める原動力になるのでしょう。



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so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
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