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2013年度のプロマネ試験を振り返る(その2)

※今回の記事は当方のメルマガ内容を抜粋しています。
 メルマガ⇒ http://www.mag2.com/m/0000260646.html


午後I試験速報:私の回答例(その2)



 午後I試験の回答例を作成しましたので、前回に引き続き、個人的な回答例
 を示します。あくまでたたき台としてご利用ください。
 
 なお回答内容の正しさについては何らの保証は致しませんので、その点はご
 注意ください。今回は問3、問4について記載します。




問3.システム開発プロジェクトの企業合併に伴う計画変更
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(1)全体的な所感
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 業務プロセス変更を伴うパッケージ適用に関する知識や経験を問う問題です。
 印象としては、問題文のどのヒントを用いるのかが絞り込めない問題が多い
 と感じます。この点で、回答内容に自信が持てない問題が多いと思います。
 
 その結果として難易度も高いと考えます。簡単に考えればいくらでも回答す
 ることができるのですが、本当にその回答が正答しているのかどうかが怪し
 いといった問題が多いのが原因です。
 
 5割はそれなりに回答に根拠のある設問ですので、ギリギリ6割程度が確保
 できればまずまずの問題かもしれません。過去問題で出題されている観点は
 少なく、対応は難しいと思います。



(2)当方の回答
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 当方の回答は以下となりました。
 回答の後にカッコでA~Cを記入していますが、個人的な自信度です。
 (A):9割以上の確率で正答しているはず
 (B):最低でも部分点はもらえる(回答の方向性はズレていない)はず
 (C):やや自信はなし
 
 設問1(1)V社ERPテンプレートを用いた業務効率改善の経験がないから(C)

 設問2(1)新たな機能の追加開発が発生しないから(A)
    (2)運用テストで発生するM社の問題を解決する期間を確保するため(C)

 設問3(1)業務プロセス変更に伴う質問に的確に回答し、業務プロセスの早期
       理解を促すため(C)
    (2)業務プロセス変更に抵抗せず、新システムの理解に勤めること(A)

 設問4(1)M社データ移行ツールの開発を優先させるため(A)
    (2)M社要員に新システムのデータ仕様を早期理解してもらうため(A)



(3)回答の説明
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 設問1(1)は何を回答しようか迷う問題です。新システムの業務プロセス
 を理解するためのスケジュールを計画した理由は?という問いで、いくつも
 の回答の方向性が思い浮かびます。
 
 1)ベストプラクティスを導入し、業務の効率向上を図るため
 2)M社向け要件定義を行わず業務プロセスが大きく変わるため
 3)M社はV社ERPを用いた効率改善の経験がないため
 4)理解不十分だと、運用テストで問題が発生するため
 5)合併準備委員会の基本方針に従うため
 
 1)は当たり前のプロジェクト目的を述べただけの内容です。ただ、これま
 でもプロジェクト目的が回答になった例は多くあります。
 
 2)は、M社は要件定義を行わずにいきなり業務プロセスが変更になること
 を想定した回答です。つまりフィット&ギャップ分析なども行わずに、新業
 務プロセスに一律置き換えを行います。なので、これまでの業務がうまく新
 業務プロセスで実施できない、なんてことのないようにする、という意味が
 あります。
 
 3)は、A社ではV社ERPのテンプレートを用いた業務効率改善の経験が
 あったので、すんなり要件定義も完了したのですが、M社はそのような下地
 がないので、業務プロセス理解にも時間がかかることを想定しています。
  
 4)については、〔新プロジェクトの開発スケジュールの検討〕のところに
 記載されています。
 
 ・M社の業務部門が新システムの業務プロセスを十分に理解できなければ、
  運用テストで問題が発生する可能性がある。
  
 業務プロセスを誤ると、適切な業務処理が遂行されずに運用上のミスが発生
 する可能性がある、といった意味合いでしょうか。
 
 5)は、単に合併準備委員会で基本方針が定まったので、それを遵守する必
 要がある、といった意味合いです。これも理由の1つにはなり得ます。
 
 
 と、1)~5)までの理由を思い浮かべることができます。このうちのどれ
 を選択することが妥当なのか、といったことを絞り込んでいきます。ただし、
 明確な絞込み根拠はない(もしくは読み取りにくい)と言っていいでしょう。
 こういったアバウトさが本問題の難易度を高めています。
 
 この中でも当方は、2)と3)あたりを中心に回答をまとめていきたいと思
 います。やはりA社では以前からV社ERPのテンプレートをベースに業務
 効率改善を行っていたこともあって、スムーズに要件定義が完了したという
 経緯もあるので、こうした期間(教育期間)の有無がプロジェクト成功には
 欠かせないとA社は認識している可能性が高いからです。
 
 1)や5)を回答としてまとめても不正解になる根拠はないと思います。
 4)については、出題されているセクション〔新システムの方針〕の後のセ
 クションに根拠が記載されており(〔新プロジェクトの開発スケジュールの
 検討〕セクション)、やや物理的にヒントの距離が遠いことから、別の設問
 の回答根拠としたいと判断しました。
 
 よって「V社ERPテンプレートを用いた業務効率改善の経験がないから」
 としました。ただしこれが正答でなくても何ら不思議ではないと考えます。
 
 
 
 設問2(1)は、普通に考えれば事前に定めた業務プロセスにM社の業務プ
 ロセスを合わせるだけですから、何らの追加開発などは発生しないことがわ
 かると思います。よってスケジュールに大きな変更は不要だと判断できます。
 この問題はしっかり正答しておきたいところです。
 
 設問2(2)も、やや意図が絞りにくい問題です。稼働までの運用テストを
 3ヶ月に延長していますが、その理由を問う問題です。回答の方向性として
 は、
 
 1)M社業務がV社ERPで遂行できる事の確認を十分に行うため
 2)運用テストで発生するM社の問題を解決する期間を確保するため
 3)M社業務部門のV社ERP操作のトレーニング期間とするため
 
 などが考えられます。
 
 1)は、合併したとはいえ、扱っている商品構成などが異なっており、オペ
 レーション・レベルではM社特有の業務が存在している場合、その業務が新
 システムの業務プロセスで実行できるのかどうかを確認する期間が必要にな
 ります。これは、M社業務プロセスと新システムとのフィット&ギャップ分
 析などをしていないことのしわ寄せを吸収する意味合いがあります。
 
 2)は、問題文に「M社の業務部門が新システムの業務プロセスを十分に理
 解できなければ、運用テストで問題が発生する可能性がある」と記載されて
 いることを受けての回答案です。
 
 3)は、M社はA社と異なりV社ERPの操作についても不慣れであること
 が想定されるので、運用テストの期間を利用して、M社業務部門のトレーニ
 ングを行うことを想定した回答案です。
 
 
 それぞれの回答案を絞り込んでいくための根拠を探していきます。
 
 1)は、M社特有の業務が存在している前提の回答です。業務プロセスを統
 一するという流れからも、そういった前提は排除してよいのではないかと考
 えられます。よって1)の回答はあまり現実的ではありません。
 
 2)は、直前の問題文に記載されているヒントなので採用したいですが、や
 や気になるのは「運用テストで問題が発生する」のは、「M社の業務部門が
 新システムの業務プロセスを十分に理解できない場合」だけである、という
 文章になっている点です。
 
 問題文のヒントの次には「M社の業務部門が業務プロセスを迅速に理解でき
 るように対策を講じることを前提に、B部長は・・・稼働までの3ヶ月間を
 運用テスト期間とするよう検討することとした」と記載されています。つま
 り、「M社が業務プロセスを理解できるような対策を講じることを前提」と
 した上で、さらに運用テストを3ヶ月間に引き伸ばしている、ということで
 す。
 
 M社が業務プロセスを理解していれば、運用テストで問題は発生しない前提
 ですから、B部長が運用テストを3ヶ月間に延ばした根拠として、運用テス
 トで発生する問題については選択できないことになります。
 
 とはいえ、M社が完全に業務プロセスを理解できるかどうかは確実ではない
 ため、根拠は弱いですがリスクという面では運用テストで問題が発生する可
 能性はまだ残っていると思います。
 
 3)は、どこにもそのようなことを示唆する内容は記載されていません。た
 だし、後のセクション〔業務プロセスの理解〕において、
 
 ・B部長は、業務プロセスの理解を迅速に行え、かつ、確実なものにするた
  めに、業務プロセスの説明をV社のデモ環境を利用して行えるようV社と
  調整した
 
 と記載されているので、M社でもV社ERPのデモを操作しながらトレーニ
 ングができることが想定されますから、運用テスト期間ではなく、業務プロ
 セスの理解期間に教育することが可能であると考えられます。となると、こ
 の回答もやや根拠は弱いかと思います。
 
 
 以上に見るように当方が想定した3つの回答案は、どれも根拠が弱く、何を
 選択してよいか判断にとても迷います。上記3つ以外の案もあるのかもしれ
 ません。
 
 ただし限られた時間で回答を作成しなければならないとすれば、やはり2)
 を中心に回答を作成することがベターではないかと思います。なぜなら、問
 題が出題されている箇所と、2)のヒントとの箇所が近いため、このヒント
 を利用させようとしている可能性が高いからです。そういった受験テクニッ
 ク的な理由から、当方は2)を中心に回答を作成しました。
 
 理論的に考えると、上記3つはそれぞれ絞り込む根拠が薄いので、とても悩
 むと思います。
 
 
 
 設問3(1)も、どのように回答を作成するのか悩ましい問題です。ただし、
 A社メンバがM社メンバに説明する、ということの効果ですから、業務プロ
 セスの早期理解を促す、といった方向性は必ず含まれていると考えられます。
 よって、
 
 1)実際に業務プロセス変更に携わったメンバの説明のほうが説得力がある
 2)実際に業務プロセス変更に携わったメンバであれば、質疑応答に適切に
   回答できる
 
 のいずれかの効果を想定することによって、結果的に業務プロセスの早期理
 解を促すことを意図したと考えることができます。
 
 上記の1)と2)を明確に特定するだけのヒントは問題文にはないと思いま
 すので、いずれを記載しても、試験への対応としては問題ないと思います。
 (正答するかどうか、という意味ではなく、絞り込めないところまで来たの
  だから、あとはどちらを選ぶのかは運任せであり、試験回答プロセスとし
  ては問題はない、という意味です)
  
 当方は業務プロセス変更に実際に携わった者でなければ把握できないような
 ことを理解している可能性が高いことから、2)を中心に回答を作成しまし
 た。
 
 設問3(2)は、久しぶりに回答を特定できる問題です。A社の過去の経験
 を踏まえた要請を行う、ということですので、A社のERP導入までの経緯
 が記載されている、はじめのセクションを参照して回答を作成すべきである
 ことが分ります。
 
 問題文には、「当初は、現行の業務プロセスを変更することに業務部門が抵
 抗感を示した」ということが記載されているので、ここを中心に回答を作成
 します。要請事項であることを踏まえて「業務プロセス変更に抵抗せず、新
 システムの理解に勤めること」としました。単に「業務プロセスに抵抗しな
 いこと」だけだと、禁止事項だけで指示としては微妙な感じ?が個人的には
 したので、本来やるべき作業である「新システムの業務プロセスの理解に務
 める」ことを追記しました。文字数の関係で「新システム」とだけの表記に
 なりましたが、まあ問題ないでしょう。
 
 
 
 設問4(1)は、12月の定期改修を中止した、データ仕様凍結以外の理由
 を問う問題です。データ仕様を凍結しなければ、移行方式設計や移行ツール
 の開発に手戻りが発生してしまうので、データ仕様凍結を指示したと考えら
 れます。これ以外の理由を探します。
 
 要員面に注目します。定期改修はM社メンバだけで行うことが記載されてい
 ます。また、移行方式設計を早期に完了させないと移行ツール開発を期限ど
 おり完了させることが難しい、という記載もあることから、スケジュール的
 にはかつかつであることが見えてきます。移行ツール開発も厳しい状況で、
 定期改修をすると、さらにリソースが分散してしまい、移行ツールの完成が
 延びてしまう可能性が考えられます。
 
 よって「M社データ移行ツールの開発を優先させるため」を回答として選択
 しました。
 
 設問4(2)は、M社の移行方式設計をA社と共同で行う理由を問われてい
 ます。ヒントは問題文にあります。
 
 〔データ移行の計画〕
 ・M社システム管理課の要員は新システムのデータの仕様を理解していない
  ので、移行方式設計に時間が取られそうだ。
 
 A社であれば、新システムのデータ仕様をM社よりは理解しているので、こ
 の理解不足への助けになると考えられます。よって「M社要員に新システム
 のデータ仕様を早期理解してもらうため」としました。
 
 設問4は少なくともニュアンスは外していないと思います。
 
 
 
 
 
 
問4.ソフトウェア開発の遂行
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(1)全体的な所感
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 設問3などは、知識で回答を導く問題が多く、あまり問題文のヒントを詳細
 に意識せずとも回答できる問題構成です。
 
 人によっては、こういった知識で回答する問題のほうが取り組みやすいとい
 う場合もあります(当方はその1人です。問題文読み取りよりも短時間で回
 答できます)。そういった方には有利な問題です。
 
 設問2では、やや変わった観点からの出題がありました。例えば「作業の順
 序、及び作業の密度の圭角値をそれぞれどのように工夫するか?」といった
 内容です。一見とっつきにくそうですが、当たり前のことをさらっと回答す
 ればOKだと思います。
 
 全体的に難易度は高くなく、6割以上の得点は問題なくできたかと思います。




(2)当方の回答
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 当方の回答は以下となりました。
 回答の後にカッコでA~Cを記入していますが、個人的な自信度です。
 (A):9割以上の確率で正答しているはず
 (B):最低でも部分点はもらえる(回答の方向性はズレていない)はず
 (C):やや自信はなし
 
 設問1(1)確定した仕様が市場動向やユーザニーズに適さず、顧客満足度を向
       上できないこと(A)

 設問2(1)請負契約に向けてU社の進捗管理・品質管理の水準を把握するため(B)
    (2)使用頻度が高く、累積使用時間が長い(A)
    (3)作業順序を早く、作業密度を高くする(A)
    (4)確定仕様の妥当性の確認(B)

 設問3(1)a:セキュリティ(A)
    (2)レビュー結果報告書(A)
    (3)前工程からの欠陥流出数について定量分析を行う(A)
    (4)詳細設計で保守性に関するレビューの実施(B)



(3)回答の説明
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 設問1(1)は、基本設計のスケジュールを満足することと、顧客満足度の
 高いインタフェースとすること(スコープ)のトレードオフについて問う問
 題です。ヒントも問題文に明確に記載されているので、対応は特に難しくな
 いと思います。
 
 仕様確定後の変更は原則禁止にすると、最新の市場動向やユーザニーズに適
 していない仕様のまま開発を進めてしまうリスクが考えられます。プロジェ
 クトの目標である、
 
 ・社内の関係者の知恵を集めて、魅力あるユーザインタフェースのモバイル
  アプリを開発し、顧客満足度を向上させること
 
 を達成できなくなってしまう可能性があります。こうした状況を想定してい
 たと考えられます。このような方向性の回答であれば、文言はどうあれ正答
 できると思います。当方は「確定した仕様が市場動向やユーザニーズに適さ
 ず、顧客満足度を向上できないこと」としました。
 
 
 
 設問2(1)は、委任契約である基本設計において、発注者であるP社Q課
 長が担当するプロジェクトマネジメント業務を切り出し委託した目的を問わ
 れています。
 
 問題文のあちこちに、U社とは取引がない点や、請負契約が初めての点、な
 どが記載されています。また、U社の進捗管理・品質管理などをQ課長が評
 価している点の記述もあります。つまり、請負契約を締結しても問題ないの
 か、という点を事前に委任契約の期間で把握しておきたかったのではないか、
 ということが想定されます。この点を回答として編集し「請負契約に向けて
 U社の進捗管理・品質管理の水準を把握するため」としました。
 
 設問2(2)は、重要だと考えられる”特定の画面”の特性を問う問題です。
 パレート分析について知っていれば容易に回答できると思います。
 
 設問2(3)は、”特定の画面”の設計やレビューに関する、作業順序や作
 業密度をどのようにするのか、という問いです。作業順序は、重要なものほ
 ど早めに着手したほうが品質の作り込みが行いやすい(レビュー⇒手直しの
 サイクルを回しやすい)、という点と、作業密度=作業工数を多く投入する
 ことで操作性などの品質特性を作り込みやすい、という点を単に回答すれば
 よいのだと考えます。
 
 設問2(4)は、やや回答の文言をどうするのかで悩む問題です。設問1(1)
 であったように、基本仕様が確定しても、ユーザニーズを満たさないなどの
 ケースがあれば、許容できる範囲で修正は行いたいはずです。また、〔企画
 部の特性〕のセクションにおいても、
 
 ・基本設計では、企画部と調整しながら仕様を確定させていくことになって
  いる
 
 と記載があることから、仕様のユーザニーズの満足度が十分か、といった観
 点から随時見直しを行うことを回答としてまとめることが妥当だと思います。
 
 15文字と文字数が少ないので「確定仕様の妥当性の確認」としました。妥
 当性(Validation)とは、V&V(Verification & Validation:検証と妥
 当性確認)において、開発プロセスの途中、あるいは最後に、システムやソ
 フトウェアが利用者のニーズや要求事項を満足しているかを判断するための
 評価プロセスと定義されています。これは、「正しい成果物を開発している
 か?」という観点で、成果物を評価することです。
 
 よって、仕様が妥当であり続けているのかどうか、を適宜チェックすること
 で、プロジェクト目標を満足できるようになると考えます。
 
 
 
 設問3(1)は、これは迷いなく「セキュリティ」が該当します。セキュリ
 ティとは、JIS X0129-1の品質モデルにおいて、機能性の副特性
 として規定されています。
 
 セキュリティ:
  許可されていない人又はシステムが情報又はデータを読んだり、修正した
  りすることができないように、及び許可された人又はシステムが情報又は
  データへのアクセスを拒否されないように、情報又はデータを保護するソ
  フトウェア製品の能力
 
 設問3(2)は、問題文には「品質を確保するために必要な活動の進捗状況
 が評価できない」と記載されていますので、品質確保活動の状況が評価でき
 る内容を報告する必要があります。
 
 詳細設計と製造に関する指摘ですから、品質確保活動としてはレビューしか
 ありません。進捗管理に関する問いですから、
 
 1)レビュー時間
 2)レビュー結果報告書
 
 のうち、どちらがより妥当であるのかを考えます。ただし、レビュー結果報
 告書であれば、レビュー時間も報告書内に記載されていると想定できますし、
 レビューでの指摘の修正がどこまで進んでいるのかもチェックすることがで
 きるので、良いように思います。よって当方は「レビュー結果報告書」を回
 答として選択しています。
 
 設問3(3)は、品質分析において「評価対象工程での数値の差異だけで品
 質の良否を判断することになりかねない」、「評価対象工程から視野を広げ
 た品質分析をしてほしい」という点から、1つの工程に絞らない分析をして
 ほしいという要望であることが読み取れます。
 
 複数の工程にまたがる品質分析といえば、おなじみの前工程からの欠陥流出
 数を評価することで、前工程の成果物の品質のチェックを行うという観点が
 なんども出題されていました。この点を回答すればよいのだと判断しました。
 
 よって「前工程からの欠陥流出数について定量分析を行う」という回答にし
 ました。
 
 設問3(4)は、「コードレビューでは問題検知のタイミングが遅い」とい
 う指摘ですから、コードレビューよりも前段階で問題検知ができなければな
 らないということです。
 
 回答の方向性は2つあります。
 
 1)詳細設計で保守性のレビューを行う
 2)コーディング基準を作成する
 
 1)はレビューする工程を1つ繰り上げるということです。クラス設計など
 で保守性を確保することができるからです。しかし、コーディングに特化し
 た保守性(コメントの追加、分りやすいコード記載など)の確保方法もある
 ので、すべての保守性を詳細設計で保証できるのかどうかは分りません。
 
 2)は、詳細設計では保守性を確認しませんので、モデリングで作りこめる
 保守性については何ら対応をしていないことになります。ただし、コーディ
 ング基準を作成すれば、コードの作成時点で開発メンバ個々が保守性の問題
 を認識しながら開発を行うことができます。ただコーディング基準に従った
 としても、それが「問題検知を早める」という意味合いになるのかは、やや
 断言が難しいところです。
  
 結局は、
 
 A)問題で想定している保守性とは、設計段階で作り込めるもの?それとも
   コードレベルのものを想定している?
   
 B)問題で想定している「問題検知を早める」という方法は、レビューに限
   定している?それとも設計基準を作成して、問題を盛り込まないことも
   含まれる?
   
 の2つの問いの答えによって、期待される回答内容も左右されることになり
 ます。
 
 
 A)のバリエーションとしては、設計で作りこめる、コードレベルのみ、の
 2つがあり、B)のバリエーションとしては、レビュー限定、問題の盛り込
 み回避、の2つがあります。
 
pm1.png

 
 この組み合わせのうち、製造でのレビューはダメだしを食らっているのでな
 しで、設計標準の作成はあまりに遡りすぎ?と思われるのでNGでしょう。
 
 となれば、詳細設計でのレビューと、コーディング基準作成の二択となりま
 す。問題文を見ると、ソースコードは静的解析ツールやコードメトリクスの
 対応を行う、ということが記載されており、コードレベルの保守性はここで
 ある程度確保できるような気もします。
 
 そういったことから当方は「詳細設計でのレビュー」を選択しました。ここ
 も、明確に絞り込める根拠はないと思いますので、試験への対応としてより
 ベターな(ここでいうベターとは、他の人も同じ回答を書きやすそうな、よ
 り無難な、という意味合い)ほうを選択するという、試験テクニックに依拠
 せざるを得ないのではないでしょうか。
 
 
 
 
 以上で午後I試験の回答例については終了です。
 
 
 
 
 
<h3>午後I試験全体を振り返って</h3>
 
 今回の午後I試験の難易度は、
 
   問3 > 問2 > 問4 > 問1
 
 といった感じかと思います。
 
 問3は、結果的には高得点になる可能性もあるのですが、回答の方向性を絞
 りきれない問題が多かったということで、試験への対応としては難易度が高
 かったです。
 
 問2、問3を選択された方は明らかにやや不利な印象を受けます。そこまで
 明らかに難易度に違いがあります。そして難易度の高い問題は、問題文をし
 っかりと読んでヒントを引用する割合の高い問題であるように感じます。い
 わゆる国語の問題ほど、難易度は高いように個人的には思います。
 
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プロフィール

so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
Twitter → @sato__so__
FB → facebook.com/creative.1st.pm

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