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2013年度のプロマネ試験を振り返る(その3)

※今回の記事は当方のメルマガ内容を抜粋しています。
 メルマガ⇒ http://www.mag2.com/m/0000260646.html


午前II試験を振り返る


 
 今年の午前II試験は対応しやすかったのではないかと思います。
 
 
 理由としては、
 
 1)過去に問われている論点に関連した出題が多かった
 2)サービスマネジメント領域からの出題がほとんどなかった
 3)企業活動領域からの出題がなかった
 4)SLCP-JCFからの出題がなかった
 
 が挙げられると思います。
 


 
 1)については、例えば、
 
  ・問1:プロジェクトステークホルダの問題 ⇒ H24問2の類似
  ・問3:プロジェクトライフサイクルの問題 ⇒ H24問1の類似
  ・問4:プロジェクト憲章の問題      ⇒ H23問2、H22問1の類似
  ・問7:クリティカルチェーンの問題    ⇒ H22問5の類似
  ・問9:クラッシングの問題        ⇒ H23問6の類似
  ・問14:責任分担マトリクスの問題     ⇒ H24問11の類似
  ・問19:フェールソフトの問題       ⇒ H22問20の類似
 
 といったように、類似観点からの出題がけっこうありました。また、過去に
 出題された問題は、
 
  ・問6:プロジェクトスコープ記述書の問題
  ・問11:EVMグラフの読み取り問題
  ・問12:IFPUG法の問題
  ・問13:ソフトウェア保守性の評価指標の問題
  ・問21:非機能要件の問題
  ・問24:個人情報保護法の問題
 
 と6問ありました(過去のプロマネ午前II試験で出題されたことがある問題)。
 
 ですから少なくとも合計13問と、半数の問題は、過去に出題されたか、類
 似観点からの出題になっていました。このため対応がしやすかったかと思い
 ます。
 
 
 2)についてですが、ITILから出題されるサービスマネジメントの問題
 がありませんでした(問20はサービスデリバリに関連する出題とも考えられ
 ますが、電子データのバックアップに関する一般的な知識で正答できる容易
 な問題でした)。
 
 サービスマネジメントの問題は、ITILを勉強していないと対応が難しい
 ものが多いのですが、今回は難しい出題はないので、失点が防げたのだと思
 います。
 
 
 3)ですが、これまでは試験範囲外の企業活動の領域から、投資案件の評価
 方法や、インバスケットの教育技法などといった、変り種の問題が出題され
 ていました。投資案件の評価については、財務系の学習を行ってきていなか
 った方には難しい問題でありましたが、この領域の出題もありませんでした。
 
 
 4)は例年2問程度は出題されている共通フレーム(SLCP-JCF)か
 らの出題が1つもありませんでした。ややこしい問題もいくつかあり、ここ
 を不得意とされていた方も多かったと思いますが、今回はこの領域からの出
 題はありませんでした。
 
 
 
 これらの結果、どこかで見た・聞いたことのある問題が多く、平均点は高く
 推移したのではないかと思います。当方も自己採点をしてみましたが、結果
 は24/25問正解と、いつもより高得点でした。
 
 関連法規で2問ほど見慣れない出題はありましたが、それでも対応は容易で
 あったと思います。
 
 
 
 
 
 
 今回の問題で対応がやや面倒だったものをいくつか簡単に説明します。
 
 まずは問8です。
 アローダイヤグラムに従って、要員計画を策定する問題です。非クリティカ
 ルパスのタスクをどの時期に実行するのかを工夫することで、1日あたりの
 最大要員数を抑えることができるので、その点に気付けたかどうかが正答の
 鍵になっています。
 
 以下に、アローダイヤグラムの依存関係に従ったメンバへのタスクのアサイ
 ン結果を示します。以下のようにアサインすれば1日当たりの要員数は2名
 で収まります。バーの左上のアルファベットは、タスク名を示します。
 
 
pm2.png
 
 
 ポイントは、タスクeの作業開始日を、最早着手日ではなく、最遅着手日に
 することです。タスクeの着手を最早着手日にしてしまうと、1日当たりの
 要員数は3名になってしまい、非効率的な要員アサインになります。具体的
 には、タスクbが完了してから10日後にタスクeを着手するようにスケジ
 ュールします。
 
 
 
 
 次は問10です。
 作業Dの余裕時間(フロート)を求める問題です。先に答えを記載します。
 各作業のES/EF/LS/LF/TFは以下のようになります。よって、
 作業Dの余裕時間(トータルフロート)は7であることが分ります。
 
pm3.png
 
 ただ、プレシデンスダイアグラムを記載したり、TFの計算をせずとも、ア
 ローダイヤグラムを記載しただけで、簡単に余裕時間7日を求めることもで
 きます。アローダイヤグラムを作成します。
 
 
pm4.png


 便宜上、作業Dの先のノードから延びているアローは、ダミー作業であると
 みなしてください。
 
 このアローダイヤグラムを見てすぐに分るように、クリティカルパスは、
 A→B→C→Eです。で、作業Dは、作業Eを開始するためには事前に完了
 しておかなければなりませんが、作業B→Cの期間のどこかで完了していれ
 ばOKなのです。
  
  作業B+Cの期間=5+3=8日
  作業Dの期間      =1日
  
 8日間のうちに、1日分の作業をやっておけばいいということがわかるので、
 余裕期間は、
 
  8日-1日=7日
 
 であることが見た目で分ると思います。
 
 
 
 
 最後は問15です。
 EMV(期待金額価値)の求め方が分っていれば、問題なくデシジョンツリ
 ーを理解することができます。全然難しい内容ではありません。
 
pm5.png

                                   
 EMVの計算の基本は以下です。
 
  EMV=発生確率×効果額
 
 
 まず、数値が全て明確になっているツールBについて計算します。
 
 上記(3)のEMV=0.6×120
          =72
 上記(4)のEMV=0.4×60 
          =24
 
 ツールBのEMV=(3)+(4)-費用
         =72+24-60
         =36万円
 
 最後に意思決定(この場合はツールBの導入)によって掛かった費用を差し
 引きます。これで、ツールBを導入した場合のEMV=36万円であること
 がわかりました。
 
 問題では、ツールAを導入した効果が、ツールBのEMVを上回るためには、
 Xが幾らより大きければよいのか?を問われています。よってツールBのE
 MVとツールAのEMVが同値になるXの値を求めます。
 
 以下にツールBのEMVとツールAのEMVが同値になるXの値を求めます。
 
 (0.6X+0.4×90)-120=36
 
 左辺の式は、(1)と(2)の効果額を算出してから、費用を差し引いてい
 ます。つまり、ツールA導入によるEMVを求めています。右辺の36はツ
 ールBのEMVの値です。上記の式から、
 
  X=200
 
 が求められます。これが答えです。ツールAの導入効果が大きい場合の効果
 額Xが200万円より大きければ、ツールAを導入したほうがよく、200
 万円より低ければツールBを導入したほうがよく、200万円に等しければ
 ツールAでもBでもどちらも効果は同じであることが分ります。


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プロフィール

so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
Twitter → @sato__so__
FB → facebook.com/creative.1st.pm

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