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ヤマダ電気で「顔パスお買いもの」ってホントに便利?

記事ジャンル:企業経営・営業



ヤマダ電気で「顔パス」でお買いもの


ちょっと前の日経新聞(4/1)の記事に、ヤマダ電機でいわゆる「顔パス」でお買物の決済ができるようになる、という記事が載っていました。

スマホの専用アプリを使うことで実現しているようですが、これについて、

  1. どんな仕組みなの?

  2. ヤマダ電機の狙いは何?

  3. 応用すると他の中小企業のカイゼンの種にならないか?


といった点について、ちょろっと「カイゼンの種」を考察してみます。

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1.どんな仕組みなの?


事前にお客さんが、スマホやタブレットの専用アプリで、クレジットカードの情報や、顔写真の情報などを登録しておきます。

で、お客さんがヤマダ電機に来た時にアプリを立ち上げると、お客さんの事前に登録された情報が、店員さんの持っている端末に表示されます。これで、店員さんはお客さんが来店していることをその場で確認することができます。


お客さんが商品を品定めしているときに、店員さんは端末の顔写真と見比べて「○○様ですね、お待ちしていました」なんて言ってその場で営業できます。そして、購入する意思ありとなれば、レジに行くまでもなくその場で登録されているクレジットカード情報を基に決済し、すぐに商品をお客さんに渡すことができる、という仕組みです。

お客さんの過去の購買履歴も参照できるので、場合によってはそこで関連商品をお勧めすることもできます。


0418_1.jpg
(出典:日経新聞 2014/04/01)





2.ヤマダ電機の狙いは何?


仕組みを見ると明らかですが、狙いは、

お客さんの買い物体験を向上させ、その場で購買の意思決定を促す


ことにあります。


というのは、家電はショールーミングが多いことが課題の1つとして挙げられています。

ショールーミングとは、

ショールーミング(showrooming)は、小売店で確認した商品をその場では買わず、ネット通販によって店頭より安い価格で購入すること。ネット通販では、従来型の小売店よりも安価な価格で商品を提供することが多い。これはネット通販の方が諸経費がかからずに済むためである。ショールーミングは、小売店にとって売上減につながるのみならず、店頭展示品が消費者によっていじり回されるという点でも店側に悪影響を及ぼす。
(引用:Wikipediaより)


というもので、お店では見るだけ、実物を触るだけで、実際に購入する場合はネットの安い業者で買ってしまう、という現象のことです。

実際ショールーミングは家電に多くみられるようです。

0418_2.jpg
(出典:日経新聞 2014/04/01)


売り場での接客を充実させることで、その場で購入したい、と思わせ、店舗販売につなげていけばショールーミング対策になります。



まあ、それは分かるのですが、個人的には、

初めからショールーミングしようと思っている消費者が、わざわざ「顔パス」を使うことはないのでは?


と思ってしまいます。


実際どうでしょう?

なんとなくヒマつぶしがてら家電量販店にふらふらと立ち寄って眺めているときに、わざわざ「顔パス」アプリを立ち上げて、店員を呼び寄せることってあるでしょうか?

そういう意味でいうと、顔パスを使う人はそもそもお店へのロイヤリティが高く、ショールーミングをしようとは思っていない顧客層だけになるような気がします。


また「顔パス」を使っても、販売員から情報をしこたま仕入れて、「やっぱり考えます」なんていって、ネット通販で買ってしまうツワモノもいそうです。

ただその接客の場は、販売員にとってもチャンスではあります。そこでお客さんに「今すぐ欲しい!持って帰りたい!」と思わせられることができればいいのです。そこは腕次第でしょうか。



ということで、ショールーミング対策としてどれほどの効果を上げるのかは、個人的にはまだ未知数に思います。

今後のヤマダ電機の結果を待ちましょう。





3.応用すると他の中小企業のカイゼンの種にならないか?


さてさて、ここからがカイゼンの種の考察です。

この「顔パス」ですが、場合によってはかなり使える、つまりお客さんにとって利便性が高いケースが考えられそうです。


前述しましたが、「顔パス」は買い物の時間をものすごく短縮してくれます。お金を出す必要もないです。また、顔を見ただけで「○○様、今月3回もお越し頂いてありがとうございます。前回の△△の使い勝手はどうでしたか?」なんて言われたら、気分がいいですよね。


つまり、2つの効果が得られます。

  1. すでに買うものが決まっているお客さんにとっては時間効率が良い

  2. 特別待遇が受けられ、お客さんのお店に対するロイヤリティ(忠誠心)が高まる


ということです。


すでに買うものがおおよそ決まっている、といえば、日用品がターゲットになります。
日用品は購買頻度も高いので、なおさらお客さんのロイヤリティも高まりやすいです。

ロイヤリティが高まれば、良い口コミも拡散しやすくなります。集客にも良い影響を与えます。

お客さんが多くなっても決済はその場で短時間で済みますから、レジ待ちも発生せず苦情も出にくいでしょう。

「顔パス」があるからこそ、ちょっと通ってみようか、というお客さんの購買心理もあおることができます。

一般的に日用品は、ブランドスイッチが激しい領域です。類似商品なら10円安いだけでもお客さんはそちらを選びます。お店でもそうです。安ければ安いほど、どんどんとブランドを変えていき、あまりロイヤリティを持ちません。

でも、この「顔パス」による個別対応があれば、ブランドスイッチに一定の歯止めをかける効果(ラチェット効果)をもたらすこともできるはずです。



たとえば、毎日通うコーヒーショップはどうでしょう。
⇒店員の「○○様、いつものでよろしいですか?」の一言の効果は大きくないですか?


または、良くランチに行く飲食店はどうでしょう。
⇒店員の「昨日は肉料理でしたから、今日は魚のランチはどうですか?」の一言の効果はどうですか?


帰りにちょっと一杯やる、気軽な飲み屋さんはどうでしょう。
⇒店員の「○○さん、今日は珍しい日本酒入ってきましたよ」で、客単価上がりませんか?



どうでしょう。かなりハマりませんでしょうか。


もちろん、こうしたローカルなお店は、店長さんや親方が顔なじみを知っていて、わざわざ「顔パス」アプリなんか使わなくても個別対応をしてくれることが多いです。

ただし、そういったノウハウのないアルバイトさんでも、親方の「顔なじみ」能力を活用できるという寸法です。



もちろん日用品だけでなく、ファッション用品やスポーツ用品などの買回り品でもハマるでしょう。
ただしこの場合は、特定の店員さんと仲良くなりたいとか、その店でしか買えないといったような何かしら「店舗」に魅力がないと、ネット通販に流れる可能性はなくはないです。

そういう意味では、やや顧客のロイヤリティを高める別の工夫が必要であり、そこはヤマダ電機と同じ命題を抱えることになります。



さて、ここまで読んで「まあ、使えそうなケースはあるけど、そんなシステム投資なんか中小企業ではできない」と感じることでしょう。

しかし、これが初期投資を抑えて出来ちゃうんです。

ソフトバンクとペイパルが提供する「ペイパル・ヒア」を活用すると、スマートフォンを使ってクレジットカード決済ができるようになります。

小規模の企業では、まだまだクレジットカード決済自体も進んでいません。

まずこれが、

・月額利用料 無料
・決済端末 オープン価格
・クレジット決済手数料 3.24%

という、スマホやタブレットがあればほぼ変動費のみでクレジットカード対応が出来ちゃうんです。
(詳しくは以下サイト参照ください)

ソフトバンク ペイパルヒア サイト
ペイパル公式サイト




で、次のステップの「顔パス」ですが、これはお客さんが自身のスマホかタブレットに専用アプリをインストールして、顔写真やらクレジットカード情報を入力してもらえれば、それでOKなんです。

参考までに、ヤマダ電機のサイトや、顔パスを行っているカフェのサイトを以下にリストします。

ヤマダ電機
カフェ ネスカフェ原宿
ペイパル公式サイト顔パスの方法

どうですか?あなたのお店でも比較的簡単に「顔パス」が出来ちゃうんです。
(と言っても当方は試してはいないので、事前の調査は十分にお願いします)




未来が現実に


この顔パスについては、私は当時2012年にソフトバンクの事業説明会に参加して、直接孫さんのプレゼンを聞いてきました。

孫さんは「将来は財布なんて持ち歩かない時代が来る」と、テクノロジーでワクワクする未来を作っていくことに情熱をもって訴えていました。

それを聞いて私もワクワクしたことを思い出します。
その世界がだんだんとリアルに身近に感じられるようになってきました。


ITというととっつきにくいかもしれませんが、ちょっと噛み砕けばこのように中小企業でもかなりのメリットを得ることができるのです。今後はITと経営は切っても切り離せないと、つくづく思います。


以上、カイゼンの種でした。


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ジャンル : 就職・お仕事

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プロフィール

so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
Twitter → @sato__so__
FB → facebook.com/creative.1st.pm

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