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2014年プロマネ試験の午後1解答結果の解説

記事ジャンル:情報処理試験



2014年 春季情報処理試験プロジェクトマネージャ試験を振り返る(その4)


6月20日(金)に2014年プロマネ試験の合否発表がありました。

合格をみごとに勝ち取った方から、いくつかメールを頂戴いたしました。
本当に自分のことのように嬉しく思います。
また当方のメルマガや論文添削が少しでもお役に立てて嬉しい限りです。


さて、やや遅ればせながら先週6月13日(金)には、午後1試験の解答例も発表されました。
当方が以前に公開していた回答と比較し、IPAの解答例を解説します。

当方が公開していた自分の回答はこちら



メルマガにて解説を行いましたので、以下にその内容を引用します。






(1)IPAの解答例を振り返る


 IPAでプロマネ午後試験の解答例が公開されました。
 ざっと見たところ大どんでん返しはなかったと思います。
 
 当方が以前に公開した回答を検証する形で、IPAの解答例の解説をしてい
 きたいと思います。
 
 
問1.人事管理システムの構築
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(1)当方の回答とIPAの解答例
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 回答の後にカッコでA~Cを記入していますが、個人的な自信度です。
 (A):9割以上の確率で正答しているはず
 (B):最低でも部分点はもらえる(回答の方向性はズレていない)はず
 (C):やや自信はなし
 
 ★から始まる内容がIPAの解答例です。
 
       0     5    10    15    20    25    30
      ├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
 
 設問1   関係部門の業務上の問題解決ができる要求を優先して集約するため(A)
      ★起因する問題点の影響度から要求の優先順位を付ける

 設問2(1)人材関連情報の迅速な内容確認の実現と、各記入シートの記入の手
       間の解消(B)
      ★各記入シートが記入しづらいので改善してほしいという社員の要望
      
    (2)リスク:
       営業部門の問題解決に貢献できないリスク(A)
       必要な人材情報を早期に把握できないリスク(A)
      ★記入内容が統一されず確認に時間が掛かる
       
       必要な対策:(A)
       人材関連情報の項目と記入方法の整理(A)
      ★各項目の記入方法を統一する
      ★人材関連情報の項目と記入方法を統一する

 設問3(1)類似案件の経験者や必要な公的資格保有者の情報を迅速に入手でき
       ること(A)
      ★類似案件の経験者や必要な公的資格保有者の情報を迅速に入手でき
       ること
      
    (2)両部門の業務上の問題点が共に解消されるスコープだから(A)
       営業部門の業務上の大きな問題点は解消されるから(B)
      ★人材情報を迅速に提供する仕組みの構築では一致しているから
      ★人材情報を迅速に把握する要求では一致しているから
      
 設問4(1)改善要望を効率的に取り込み、社員の手間を解消するため(A)
       各記入シートへの記入の手間を解消するため(B)
      ★操作性に関する要望を仕様に反映させるため

    (2)社員の全人事情報流出のリスク(A)
       不必要な人事情報へのアクセスのリスク(A)
      ★人材情報が漏えいすること
 

(2)解答例の振り返り
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 設問1は当方の回答はおおよそニュアンスはあっていますが、微妙に異なる
 点もあります。
 
 IPAの解答例は、
 
 ・各部門の抱える問題点と、各部門から出ている要求とは一致している前提で、
 ・問題点の影響度を基にして、優先順位をつけるため
 
 という意味合いです。
 
 当方の回答は、
 
 ・各部門から出ている要求と、各部門の抱える問題点がアンマッチしている
  可能性がある前提で、
 ・問題点を解消できる要望を優先的に取り込んでいく
 
 という意味合いです。
 
 ただ後半の優先順位をつけて要求を集約する点は共通しているので、部分点
 が入るか?といった感じです。「問題の影響度」という観点が重要である場
 合は厳しいかもしれません。
 
 ただ「要望が問題点に起因しているか否か」という観点と、「起因している
 問題の影響度」という観点の、どちらか一方だけを解答として盛り込むべき
 という基準は、問題文からは読み取れません。よって、2つの観点をどちら
 も回答に盛り込むことがベターな試験対応だったと思います。
 
 片方の観点だけを回答した場合は、たとえIPAの解答例と一致していたと
 しても、回答時の思考プロセスに漏れがなかったのかは一度検証してみると
 良いかと思います。
 
 
 
 設問2(1)(2)リスク、については、当方はやや回答を詰め込み過ぎた
 のと、抽象的な回答内容を記載していました。IPAの解答例は具体化され
 ていますので、この点が異なっています。設問2(2)必要な対策、につい
 ては当方の回答とIPAの解答は一致しています。
 
 設問2(1)は、IPAの解答例では、要求検討委員会に参加していないス
 テークホルダが誰なのかも文言に含めて記載しています。確かにそこまで記
 載したほうが明示的ですが、設問文でそこまで求められてはいないので、必
 須の記載事項ではないと考えたいです。
 
 当方の回答では、「人材関連情報の迅速な内容確認の実現」も含めてしまっ
 ていますが、これはそもそものシステム化要求に含まれますから、この内容
 は排除したほうが妥当だと思います。よってIPAの解答例のように、社員
 の要求のみを記載することが正しいと思います。
 
 
 
 設問3(1)は、回答が完全一致です。
 設問3(2)は、当方の回答は「両部門の問題点」が解消されるから、のよ
 うに、問題の内容を具体的には記載していませんでした。これに対してIP
 A解答例は、「人材情報を迅速に提供する仕組みの構築」といったように、
 問題点ではなく、要求内容を具体的に挙げています。
 
 どちらがより回答としてベターかと言うと、これはIPAの方であるかと思
 います。というのは、問題の対象となっている下線2の前段で、
 
 ・現状の業務上の問題点に関する要求については、人事部の要求と解決の方
  向性は一致しており・・・
  
 と記載されていて、問題点そのものではなく、「問題点に関する要求」を主
 語として取り上げているからです。
 
 まあ、言いたいことは同じなのですが。。日本語は難しいですね。より安全
 な回答作成をするならば、要求を主語とすべきです。
 
 
 
 設問4(1)は、IPAの解答は特にひねりなくそのままでした。当方は、
 問題文にある「システムへの改善要望を多く出している社員に使ってもらう」
 という部分にも反応し、より効率的に改善要望を取り込むため、といったニ
 ュアンスも回答に含めました。これ自体は試験対応としてはベターであり、
 特に問題はないと思います。
 
 設問4(2)は問題なく正答できています。
 
 
 
(3)全体的な所感
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 完全に外した問題というのはなかった半面、回答に盛り込む文言や観点が微
 妙にずれてしまう問題が多かった印象です。
 
 その結果、厳密に採点すれば結構厳しい点数になる可能性がある問題です。
 しかしニュアンスは外してはいないため、部分点がどれだけ入るかがカギか
 もしれません。
 
 難しい印象は持たない問題だっただけに、やや「日本語は難しいな」といっ
 た所感がありますが。。逆に引用部分を除いて、IPAの解答例とばっちり
 一致する文言はなかなか書けないかとも思いますので、採点の幅もやや広く
 なることを期待しましょう。
 
 
 
 
 
 
問2.プロジェクトの進捗管理
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(1)当方の回答とIPAの解答例
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 回答の後にカッコでA~Cを記入していますが、個人的な自信度です。
 (A):9割以上の確率で正答しているはず
 (B):最低でも部分点はもらえる(回答の方向性はズレていない)はず
 (C):やや自信はなし
 
 ★から始まる内容がIPAの解答例です。
 
       0     5    10    15    20    25    30
      ├────┼────┼────┼────┼────┼────┤
 
 設問1   P社プロセスに納得できず開発効率が悪化する(A)
      ★プロセス導入の効果が十分に得られないこと
      ★プロセスが正しく定着しないこと

 設問2(1)Xiに子アクティビティiの計画工数を用いる(A)
      ★Xiには所要日数ではなく計画工数を用いる
 
    (2)所要期間を通じて毎日均等に進捗率が上がる前提(A)
      ★アクティビティの成果が、日ごとに一定に増加すること
    
 設問3   下線2:
       クリティカルパス上のアクティビティの作業遅れにより全体進捗が
       遅延するリスク(A)
      ★クリティカルパス上のアクティビティの遅れで、プロジェクト全体
       が遅れる
       
       下線3:
      ・多くのレビューを担当し稼働計画に余裕がないため品質不良となる
       リスク(B)
      ・多くのレビューを担当し稼働計画に余裕がないためレビュー品質不
       良となるリスク(B)
      ★レビューが不十分となることで、他の作業者の成果物の品質低下に
       つながる。
       
 設問4  ・内部設計工程以降でQA表の細かな仕様の把握漏れが発生すること(A)
      ・内部設計工程以降で仕様の把握漏れが発生し、手戻りや品質不良が
       発生すること(A)
      ★Q&A表に散在している仕様を見落としたり、仕様の把握に時間が掛か
       ること
      ★Q&A表に散在している仕様の見落としや、手戻りが発生すること



(2)解答例の振り返り
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 設問1~4まで見た感じだと、当方の回答はIPAのものと全て一致してお
 り、100点かと個人的には思います。ニュアンスはまず外していませんし、
 文言の表現もほとんど差異はありません。
 
 以前に当方の回答の解説をメルマガで送付しておりますので、その解説を参
 照頂ければ、そのままIPAの解答例の解説になると思います。
 
 よって解説は割愛します。
 
 
 
(3)全体的な所感
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 知識問題が多かった分、しっかりと勉強している人には対応しやすい問題だ
 ったかと思います。
 
 文言で悩む事もなく、基本的なことをしっかりと書ければ正答できました。
 また問題数が比較的すくないことも高得点を取れる要因だったかと思います。
 
 
 
 
 
問3.生産管理システムの再構築
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(1)当方の回答
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 回答の後にカッコでA~Cを記入していますが、個人的な自信度です。
 (A):9割以上の確率で正答しているはず
 (B):最低でも部分点はもらえる(回答の方向性はズレていない)はず
 (C):やや自信はなし
 
  ★から始まる内容がIPAの解答例です。
        0     5    10    15    20    25    30
       ├────┼────┼────┼────┼────┼────┤

 設問1    ギャップ:
       ・H社契約窓口は仕様が明確と考えているが、実際には仕様が不明確
        であること(A)
       ・現システムの改修履歴がドキュメントに反映されておらず仕様が不
        明確であること(B)
       ★仕様が明確という見解と設計ドキュメントに改修履歴が反映されて
        いない状況
       
        リスク:
        請負契約だと現システム仕様の把握に工数がかかり費用超過や納期
        遅延するリスク(A)
       ★改修で変更された機能が実装されず手戻りが発生して納期に遅れる
        こと
        
 設問2    外部設計書に取り込んだ仕様を現システムの業務機能として扱うこ
        と(A)
       ★新たに作成した外部設計書に基づいて新システムの開発を行うこと
       
 設問3(1) 適正価格・見積りの委託先を選定できる(A)
       ★委託先の客観的な評価ができる
       ★調達コストを適正にできる
    
    (2)・RFPの現システム機能の理解度と提案内容の妥当性(B)
       ・RFPの理解度と提案内容の妥当性(B)
       ・RFPの生産実績・原価管理機能の理解度(B)
       ★A社と同等の品質管理基準を有していること
       ★品質に関するA社の検収条件を満たすこと
       
 設問4(1) 外部設計書を新規作成するため、現システム仕様を網羅できない可
        能性があるから(A)
       ★本番データが現システムの全テストケースをカバーしているわけで
        はないから
        
    (2) 新システムのリスク:
        現システムと異なる挙動をするリスク(A)
       ★実装が漏れている機能がある
       ★処理結果に不一致が発見される
       
        対応策:
        現システムを用いて業務を継続する(A)
       ★現システムの処理結果を使う
       ★現システムに切り戻す


 
(2)解答例の振り返り
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 設問1ギャップは、当方は2つの回答例を示していましたが、IPAはそれ
 を合わせた解答例になっていました。やはり「ギャップとは何か」という問
 われ方をしているので、ギャップが見えるように回答を作成することがポイ
 ントだったと思います。当方の(A)を付けた回答で問題なく正答するかと
 思います。
 
 設問1リスクは、IPAでは「改修で変更された機能が実装されず」と具体
 的な文言に対して、当方の回答は「現システム仕様の把握に工数がかかり」
 とやや抽象的な文言になっています。実装されない、とは明記していません。
 
 実装漏れを予防するのに丁寧に調査すれば、漏れは防げますがその分工数が
 かかる、という関係にあるので、IPA解答例にある「機能実装が漏れる」
 ということだけが正答、というわけではないと考えます。仕様把握に工数が
 かかるということでも理論的には問題ありません。よって当方の回答でも問
 題なく満点の正答だと思います。
 
 
 
 設問2は、表現したいことは同じですが文言が異なっています。この差分を
 採点者は見抜けるのか??言いたいことは同じだよな~と思っていただけれ
 ば正答、そうでなければ部分点?でしょうか。
 
 個人的にはこうした文言で左右されるレベルの問題が多いのはあまり好まし
 くないと考えます。正答になってもらわないと困る水準です。
 
 
 
 設問3(1)は、委託先選定の一般的な知識を当てはめることで正答できま
 した。これは特に問題ありません。
 
 設問3(2)は、品質管理基準を満たすことが重要である点が、問題文にき
 ちんと記載されていました。当方はこれを見落としてしまっていたようです。
 完全にIPAの解答が正しいです。
 
 問題文を読むと、そもそも協力会社の調達を検討する際に、A社の品質管理
 基準を熟知しているX社に委託する予定であることが分かります。ここに反
 応できれば正答です。
 
 
 
 設問4(1)は、う~ん、ちょっとテストデータが網羅していない、という
 内容ですが「網羅していない」理由を述べる必要があったのではないかと思
 います。
 
 本番データを使っても網羅を保証できない理由は何か?という問題に対して、
 
 「本番データがテストケースを網羅しているわけではないから」
 
 という回答は、答えになっているのでしょうか・・・。それとも何か当方が
 大きな見間違いをしているのか。
 
 
 当方は網羅できていない理由として、
 
 「外部設計書を新規作成するから、漏れがあるかもしれない」
 
 と回答しています。ちょっとこの問題のIPA解答例は今のところ納得がい
 っていませんが、当方が見間違い・読み間違いをしている可能性もあります
 ので、ちょっと継続して検討してみます。
 
 
 設問4(2)は当方の回答とIPA解答は一致しています。
 
 
 
(3)全体的な所感
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 問1よりも文言的な表現のずれにはあまり悩まされない解答例だったと思い
 ます。ニュアンスが合っていれば問題ないかと思いました。
 
 皆様も比較的手ごたえ通りの結果ではなかったかと思います。
 
 
 
 

難易度について


 IPAの解答例を見た感じとしては、個人的に今年の難易度としては、
 
 
 問1 > 問3 > 問2
 
 
 という感じを受けました。問1も悪い問題ではないのですが、回答の文言に悩
 むのと、回答文字数制限もやや多めなので、その点で苦労した人もいたかと
 思います。
 
 ただ極端に難しいと言うわけではありませんでした。
 
 問2はスケジューリングの知識水準によって、得手不得手があったかと思い
 ます。結果的には問2を嫌って、問1、問3を選択しても極端に難しい問題
 ではなかったのであまり合否に影響はないと思います。


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プロフィール

so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
Twitter → @sato__so__
FB → facebook.com/creative.1st.pm

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