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信頼を得るには -課題志向と人間関係志向-

記事ジャンル:仕事観・動機付け



信頼を得るには


最近、信頼関係をどのように築いていくのか、という方法論について議論しました。

一般的に信頼とは、

「あの人なら望む成果を上げてくれるはず」と他人から期待され、仕事や用事を任されること


と定義してよいでしょう。信頼を得る方法は、大きく2つあります。

1つは他人に仕事や用事を依頼したり・依頼されたりしながら、その仕事ぶりや成果を見て、信頼を得ていく方法です。
「課題を解決する」ことを、相互に通じて信頼を構築する方法なので、課題志向の信頼構築と言えます。

もう1つは、人間関係を密に取ることで信頼を得ていく方法です。
飲みニケーションや雑談、個人的な関係性をベースに信頼を構築する方法なので、人間関係志向の信頼構築と言えます。


この2軸は、リーダーシップの2軸と合致しています。
リーダーシップも、コミュニティーの課題解決のために手腕を振るう「課題志向」のリーダーシップと、個人的な人間関係の構築で手腕を発揮する「人間関係志向」の2つの方法があります。この2軸は対極にあるので、両方とも得意、という人はまれで、どちらかの極に寄っていることがほとんどです。



で、極論かもしれませんが、私の意見は、

本当の信頼関係は、「仕事(用事)を依頼したりされたりしながら、その仕事ぶりや成果を見て構築されていく」しかなく、それ以外では構築は難しい



というものです。

この結論だけ聞くと極端でしょうか?

もしくは意見に賛同されるでしょうか?

さて、以下に理由を述べていきたいと思います。






そもそも信頼とはなぜ作られるか


信頼とは、そもそも仕事や用事などについて、適任でしっかり責任を持って遂行できる、と他人から判断されたからこそ得られるものです。これに異論はないと思います。

なので、信頼とは「責任を果たす」ことを積み重ねて、初めて構築されるものだと考えています。

責任の果たし方は様々です。
仕事をある期日までに完遂した、ということも責任を果たした事象ですし、他人に漏らしてはいけない噂話を口を滑らさずに守った、ということも、責任を果たしたことになるでしょう。待ち合わせ時間に遅れそうなときに、事前に謝りの一報を入れることが、責任を果たしたことになるかもしれません。

何をもって「責任を果たした」かは、クライアントである相手が判断します(といっても、無意識とは思いますが)。


なので当方は、仕事や用事を依頼したりされたりして、その仕事ぶりを評価されるということが、信頼関係を構築する唯一の方法だと思うのです。



人間関係志向で構築されるのは、本当に信頼関係か


人間関係を良くしようという試みはとても重要なことです。これは世界中のビジネスシーンで求められることです。

しかし、私は敢えて問います。

人間関係を良くすることで信頼関係が構築できるのでしょうか?

相手の個人的な事情や趣味などに興味を持ちコミュニケーションをすることは、風通しを良くしたり、抵抗感を低くすることに大変役立ちます。これを否定しているわけではありません。

ただし、こうした人間関係を良くすることだけで信頼関係は構築できないのではないでしょうか。


例えば、とっても人づきあいが良く、飲み会にも良く参加するのですが、仕事は全くできない人がいたとしましょう。
人当たりはいいので仕事以外のシーンでは好感触です。しかし、いざ仕事や用事を依頼しようとすると、成果を上げられません。期待した成果を下回ることを繰り返された場合、どんな気持ちを抱くでしょうか。信頼関係は維持されるのでしょうか。

逆に、人づきあいは悪いのですが、仕事は期待以上の成果を上げる人がいたとします。
人当たりはあまりよくないので、飲みに行ったり雑談をすることはあまりないのですが、ビジネスシーンや用事の遂行においては存在感を発揮します。こうした人は、だんだんと周囲と信頼関係を築いていけるのではないでしょうか。特定分野のスペシャリストなどは、こうした人が多い印象があります。

「仲間を信頼して協力しよう」といった標語はよくありますが、何の成果も上げられない仲間を信頼できるでしょうか。協力できるでしょうか。


私は、人間関係を良好にする取組は、成果をさらに向上させるためには必要だと思いますが、人間関係の良好さだけで信頼関係が築けるとは思いません。

極論しますと、人間関係の良好さで得られるものは、信頼関係ではなく、安心感や凝集性、一体感といった感情なのではないでしょうか。それを「信頼感」と誤って認識しているだけ、といったことはないでしょうか。



先人の言葉を振り返る


このような意見には反対される方が多いかと思います。
もちろん、価値観と同じで何が正解かは答えのない世界です。

ただ、先人の言を見ると類似しているものもあります。

仕事や課題に焦点を合わせた関係においてなんの成果もないならば、温かな感情や会話も、無意味である。
むしろ、ねじれた関係のとりつくろいにすぎない。逆に、関係者全員にとって成果をもたらす人間関係であるならば、時おりの失礼な言葉さえ、人間関係を壊すことはない。

(P・F・ドラッカー[著], 経営者の条件, 上田惇生[訳], ダイヤモンド社)



けっこう激烈な言葉です。
ただ私は、ほぼ同意見です。

本当の人脈は、仕事を通じてしか築くことはできない。
夜の会合で人間関係を深めるより、自分の仕事で成果を上げ、「あの仕事なら、あの人」と、周囲に認めてもらうことが先だろうし、私自身はそうやってきた。
(中略)
友だち上司は会社に遊びに来ているつもりでいる。毒にも薬にもならないような意見を言い、部下から嫌われまいと思っている。
立場が違う人間が友達づきあいをするなんてことはあり得ない。立場が違うことを強烈に意識しながら、一緒に仕事をしていこうと呼びかけ、そばにいてアドバイスすることこそが、上司の務めだときちんと理解することだ。

(柳井 正, 柳井正の希望を持とう, 朝日新書)




上司と部下との関係にも言及している箇所がありますが、これも人間関係のみのリーダーシップはあまり役立たないことを示しているのではないでしょうか。


私自身もけっこうバイアスの掛かった人間ですので、いろいろ偏った意見が多いです。それでも、いろいろな視点から検証し、より妥当である、と思え、かつ自分の経験にもマッチする理屈を支持しています。


以上、価値観と類似する部分もあるので、何が正しいと言うのは答えが無いという前提で、自分の意見を述べました。

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プロフィール

so-tan

Author:so-tan
佐藤 創。仙台のIT業界でシステム開発に従事しながら、情報処理試験プロマネの受験対策を実施(「このブログについて」参照)。情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、中小企業診断士。日々自分のキャリアや様々な問題に悩みつつも、前向きに問題に立ち向かえる自分でありたいと願う。そんな日々の記録です。
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